会社員の独立に「家族が反対」するときに、本当に話すべきこと

家族をどう説得したらいいのか?

会社員が独立起業しようと思っているときに
最大の障害になると思われるのが

「家族の反対」

です。

 

なので、僕に相談されるときも

「妻が反対しているのです」
「反対する夫をなんて説得したらいいでしょうか?」

という相談は、とても多いです。

 

また、親や兄弟などの家族が
激しく反対しているという話もよく耳にします。

 

うーん。

 

どうやって説得したらいいのでしょうか?

 

反対するのはあたりまえ

家族やパートナーというのは、基本的に反対をします。

 

僕の専門である「行動科学」で説明すると

「現状維持バイアス」や「不確実性バイアス」

などが働くからです。

 

現状維持バイアス

現状を維持することのほうが、変化することより

価値が高いと錯覚してしまう傾向のこと

 

不確実性バイアス

たとえ合理的な証拠があったとしても

不確実だというだけで、感覚的に嫌う傾向のこと

つまり、

会社員という「現状維持」「確実」な身分

から

独立起業という「変化する」「不確実」な未来

というだけで
なんとなく感覚的に反対する傾向があるわけです。

決して、会社員から独立しようとしている
あなたへの信頼がうすいわけではありません。

ごく自然な感覚として、反対する感情がでるのは
あたりまえだということです。

 

これらは、行動科学的に説明できるので
現状維持バイアスや不確実性バイアスを
やぶって、説得する方法はちゃんと存在します。

しかし、僕は「うまく説得する」ことより
もっと重要なことがあると思っているのです。

 

会社員から独立した、あるご夫婦の話

僕のコーチングのクライアントさんで
会社員をやめて独立して飲食店をはじめた方がいます。

管理職だった、ご主人はこれまでの経験から

「家族である妻と、仕事もプライベートも一緒だと
お互いにストレスがかかりすぎるだろう」

と判断して、奥さんは別の仕事で働き
ご自身は従業員をやとって、2人別々の職場で働きます。

 

独立起業して、しばらくして
奥さんから相談を受けたのです。

「白水さん。ウチの人はやはりわたしのことを
信頼していないのでしょうね。
独立して一生懸命はたらいているのは、わたしと一緒に働いて
いろいろと失敗したくないからでしょうか?」

とお話されたのです。

 

ご主人の気持ちと全然違う反対の反応にびっくりした僕は
急遽、僕と、ご主人、奥さんの3人で
話あう機会をつくりました。

 

 

話し合いの場で、ご主人は、たくさんの話をされました。

・なぜ会社員から独立起業しようとしたのか
・会社員時代に実はこんな想いで働いていた
・そのおかげで、奥さんに申し訳ない気持ちもあった
・独立することで迷惑をかけたくない

などを、長い時間をかけてお話をされたのです。

 

ずっと黙って話を聞いていた奥さんは

「わたしは、あなたのそんな気持ちや考えを聞きたかった。
あなたが大変な想いをしているだろうと、
ずっと心配でした。
会社員から独立したら、
こんどこそ
そんな話がたくさんできると思っていました。
なのに、あなたは、わたしに全然話をしてくれない」

と、静かにお話をされたあと、涙をながされたのです。

 

本当に、とても静かな涙でした。

 

もう少しだけ 3人でお話をして、その日は終わりとなりました。

 

後日、ご主人から、お礼があったのです。

「あのような話をしないといけないとは
なんとなく感じていました。
でも、夫婦2人だけで、素直に話をするのは
なかなか難しかったのです。
二人の間に、白水さんがいたので、話ができたのだと思います」

 

しばらく後に、奥さんは別の仕事をやめて
お店の仕事をメインでやるようになりました。

 

その後お店は、なかなか大変な状況が続きました。

 

でも、会社員時代から2人を知っている僕は
どうみても、独立してお店をやっている
今の2人のほうが幸せに見えるのです。

それは、あの日、お互いの気持ちを、家族として
たくさん話すことができたからだと感じるのです。

 

「正しさ」より「気持ち」

会社員から、独立起業する、と言って
家族やパートナーに反対されれば
わたしたちは「説得」をしようと考えます。

そのため、

・会社員をやめて独立することがいかに正しいか
・独立起業が成功する可能性
・資金繰りや手続きのプラン

などの

「正しさ」

を、うまく相手に話をして

どうしたら賛成してもらえるだろうか
反対意見をやめてもらえないだろうか

ということばかり、考えがちです。

 

でも、それより話すべきことは

・お互いが何を期待して、何を不安に思っているのか
・これからの変化に対して、どんな気持ちでいようか
・今後も、かわらない信頼

などの

「気持ち」

を話すことだと思うのです。

 

つまり

「正しさ」で家族を説得するのではなく
「気持ち」をお互いが理解しあうこと

のほうが、ずっと大切だと思います。

 

先のご夫婦のように、2人だけで話をするのは
難しいので、信頼できる第三者をまじえて
お話するのは、とてもよいと思います。

 

 

会社員から独立すれば、さまざまな困難があります。

そんなときに、本当に最後の最後に頼りになるのは
「気持ち」をお互いに理解している
家族やパートナーであることは間違いありません。

① 基本的に家族・パートナーは「不確実な未来」を不安に思うので
  ふつうは反対すると思っておく。

② 正しさで「説得」するより、気持ちを「理解」しあう。

③ 第三者が入って話ができる機会をもつと、話しやすい。

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